
膠原病リウマチ科のご案内
当院では、関節リウマチをはじめとする自己免疫性疾患や、関節・筋肉の痛みに対して専門的な診療を行っております。 「朝のこわばり」「関節の腫れ」「動かすと痛む」などの症状がある方は、早期の診断と治療が重要です。
膠原病外来や甲状腺外来、不整脈などの専門外来も設置しており、症状に応じて適切な検査・診療を行っています。 血液検査や画像診断を通じて病気の進行を防ぎ、薬物療法だけでなく、生活習慣の改善や運動療法なども含めた包括的なサポートを提供しています。
「関節が痛むけれど年齢のせいかも…」とお悩みの方も、どうぞお気軽にご相談ください。 専門的な視点から、あなたの不安に寄り添いながら診療を進めてまいります。
リウマチ科で対応する主な症状と疾患
当院では、様々な症状や疾患に対応しております。気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。以下に主な症状と疾患のカテゴリと、その分布の例を示します。
主な症状
- 関節の腫れ・痛み
- 朝のこわばり(特に手指)
- 関節の変形や可動域の制限
- 筋肉痛・倦怠感
- 微熱・体重減少などの全身症状
その他の関連疾患
- 変形性関節症(加齢性)
- 痛風・偽痛風
- 骨粗しょう症(関節痛との関連)
- 関節周囲の滑膜炎・腱鞘炎
主な疾患・処置対象
- 関節リウマチ
- 全身性エリテマトーデス(SLE)
- シェーグレン症候群
- 強直性脊椎炎
- 乾癬性関節炎
- ベーチェット病
当院のリウマチ科へのアプローチ

- 早期診断と進行予防を重視
- 患者様の生活に寄り添った治療方針
- 定期的なフォローアップと症状管理
- 他科との連携による包括的なケア
- 健康診断や骨密度測定などの予防医療も対応
シェーグレン外来の新設
シェーグレン症候群は全国で約50万人いると推定され、膠原病の中では最多の疾患です。その1割は乾燥症状だけでなく、間質性肺炎や多発性単神経炎、多発性筋炎、汎血球減少といった臓器病変を合併し、免疫抑制剤やステロイド治療の対象となります。残り9割はドライアイやドライマウスといった乾燥症状、全身倦怠感、筋や関節痛が主症状で、これまで対症療法とされてきました。しかしながら罹病期間が長くなると、乾燥症状が著明となり、対症療法では対応できなくなります。う歯、舌痛、会話中に喋られなくなる、味覚障害、嚥下障害といった耐え難い苦痛を強いられます。しかも治療法が限られており、医療提供も満足できるものではありません。この現状をどう変えていくのか?、まだ答えは見つかっていません。乾燥症状は発症早期では自覚できません。しかし唾液分泌、涙液分泌の低下は進行し、自覚するころには元の機能には戻らないほど悪化しています。つまり治療介入の時期を逃しているのです。
現在のシェーグレン症候群の診断基準は、症状が進行した状態でしか診断できず、早期治療に向いていません。多くの臨床治験が行われましたが、乾燥症状の改善を証明できた薬剤はセビメリンとピロカルピンのみです。その他、麦門冬湯、ジェル状口腔保存剤、人口唾液スプレー、アズレンスルホン酸ナトリウム含嗽液も部分的に有効とされています。関節リウマチに対するメトトレキサート治療といった、画期的なパラダイムシフトはまだ起こっていません。治療成績が悪い理由は治療介入の時期が遅いためであり、早期診断・早期治療で分泌機能の回復は十分期待できます。
そのためには
- 早期シェーグレンの診断基準を作成。
- 治療方法の確立。
- 症例を増やしエビデンスを作成。
これらの目標を達成するためシェーグレン外来を新設しました。
早期シェーグレンの特徴
リウマチ膠原病内科には、関節痛を主訴に多くの初診患者が来院し、検査結果で抗SS-A抗体が認められるときがあります。また健康診断や人間ドック、ほかの疾患で通院中の際、アミラーゼの上昇を指摘され、2次検査で判明する場合もあります。このように乾燥症状ではなく他の症状から、早期シェーグレンを発見していきます。
早期シェーグレン診断基準(案)
- サクソンテストで2.0g以下
- 複数回の血清アミラーゼ上昇
- 抗SSA抗体または抗セントロメア抗体陽性
- 口唇生検でわずかでもリンパ球浸潤あり。
①と②を満たし、③か④のいずれかを満たす場合早期シェーグレンと診断する。
治療方法
シェーグレンの病態は、まず細菌感染やウイルス感染といった何らかの先行因子により唾液腺組織が壊れ、自己抗原Ro/SSAやアミラーゼ、ムスカリン作動性アセチルコリン受容体MR3などが提示され、Toll様受容体を介して、抗原特異的免疫応が起こります。つづいてT細胞が活性化されIL2などのサイトカインを産生し、ポリクローナルなT細胞の増殖を惹起します。また産生されたIL6などによりポリクローナルなB細胞の活性化も誘導され、自己抗体産生を引き起こします。さらにIFN-γやIL-17などの炎症性サイトカインにより炎症は増幅され、細胞障害性T細胞が出現し、CD4陽性T細胞はFASリガンドを介して、またCD8陽性T細胞はパーフォリンやグランザイムを介して、唾液腺上皮細胞をアポトーシスに陥らせます。
これらの病態から
- Toll様受容体に対する薬剤
- 活性化したT細胞に対する薬剤
- 活性化したB細胞に対する薬剤
- IL-2、IFN-γ、IL-17に対する生物学的製剤や分子標的薬
RAやSLEといった他の疾患に対する治療薬が、候補として挙げられます。
